今回はアプリ事業者がアプリリリース時に導入を検討するであろうGoogle製の分析ツールGoogle Analytics for Firebaseについてご紹介をさせていただきます。Google Analytics for Firebase(以下=Firebase Analytics)導入における注意点や有料・無料プランのご説明や補足を中心に行います。
Firebaseとは
FirebeseはGoogleが提供するアプリの分析ツールを中心としたアプリ開発運用の支援ツールです。一般的にアプリ内のユーザー行動解析やデモグラフィックの分析(Firebase Analytics)に使われる事が多いですが、それ以外にも機能が多岐に渡ります。
Firebaseは主要な機能だけでも以下のように非常に多数の機能がございます。その中でも今回はFirebase Analyticsに特化してご説明をさせていただきます。
Firebase Analyticsについて
Firebaseというと、こちらのGoogle Analytics for Firebaseの機能を思い浮かべる方も多いかと思います。Google Analytics for Firebaseを使用することで、アプリ内の解析ツールとしてユーザー行動や設定したコンバージョンの計測およびレポーティングを行うことが可能です。Google Analytics for Firebaseの導入には指定されたSDKをアプリに組み込む必要がございます。導入にはエンジニアと開発要件を詰める必要がありますので、必ず開発期間を考慮して導入を進めるようにしてください。
また、名称にGoogle Analyticsとある通り、ウェブ版のGoogle Analyticsと似たような使い勝手のため、ウェブマーケティングでGoogle Analyticsを使用されていた方は比較的容易にご利用いただけることかと思います。
Firebase Analyticsでできることと使い方
Firebaseではユーザー行動の分析以外にも、多数のできることがございます。今回はいくつかの例をご紹介します。
ユーザー行動解析とダッシュボード機能
前述の通り、iOS アプリや Android アプリでのユーザー行動をデータとして用い、アプリ改善の分析に用いることができます。アプリ内のログイン情報や、購入、プッシュ通知への反応、ディープリンクの成果などを具体的に用いることが可能です。また、様々な指標をダッシュボード上に統合して閲覧することも可能です。なお、ユーザーの流入計測や分析にはFirebase以外のアトリビューションツールの導入もおすすめですので、参考記事をご覧ください。
Admobとの連携
もし、アプリ上でアプリ広告の掲載を行い収益拡大を狙うのであればAdmobとの連携をおすすめします。AdMobをFirebaseと連携すると、アナリティクスに広告指標とAdMobの収益が表示され、LTVの分析や広告施策の成果把握が柔軟に行なえます。
グーグル広告との連携
同じGoogle製のグーグル広告はFirebaseとの連携が容易です。Google 広告を使用することで、Googleのサービスに広告の掲載が可能となる上、Firebase上で、一気通貫でのパフォーマンスの把握が可能となり、より効率的・効果的なマーケティング活動が可能となります。
Firebase Analytics導入のポイント
Firebase Analytics導入時のポイントとして、アプリ内行動の分析に必要なEventの設定が必要となります。開発の際にはSDKの導入と合わせ、Eventの設定を行うことに注意しましょう。
Google Analytics for Firebaseのイベントとは
アプリまたはサイトでユーザーが操作をした際にそれぞれのトリガーによって収集されるデータをEvent(イベント)と呼びます。なお主要なイベントは、自動的に収集されますが、それぞれの運営するアプリに応じてカスタムなイベントも取得することをおすすめします。
イベント | 自動的にトリガーされるタイミング | パラメータ |
---|---|---|
ad_click(アプリ) | ユーザーが広告をクリックしたときGoogle Mobile Ads SDK を介して AdMob から送られるパブリッシャーのイベントこのイベントは BigQuery にエクスポートされません。 | ad_event_id |
app_exception (アプリ) | アプリがクラッシュしたか、例外をスローしたとき | fatal、timestamp、engagement_time_msec |
session_start (アプリ、ウェブ) | ユーザーがアプリやウェブサイトを利用したとき セッション ID とセッション番号はセッションごとに自動生成され、セッション内の各イベントに関連付けられます。 |
一方で取得が推奨されるカスタムなイベントの例もFirebaseでは紹介しております。アプリの種類に応じて取得を行う必要がありますので開発の際は参考にするようにしてください。
参考:[GA4] 推奨イベント
イベントに紐づくパラメータとは
上記の表の通り、イベントの種類によっては紐づくパラメータの設定が必要となります。例として、アプリ内検索をイベントとして設定する場合は、パラメータとして「検索したテキスト」を設定したり、お気に入り店舗をイベントとして登録した場合は「店舗名」を設定したりとイベントに紐づく情報をパラメータとして設定することがほとんどです。
開発の際はイベントだけではなく紐づくパラメータも設定しましょう。イベントおよびパラメータともにアルファベットでの指定ですので、アルファベットでどの様は表記とするかも示しておくと開発の際に便利ではないかと存じます。
Firebase Analyticsの無料プランと有料プラン
Firebaseには無料プラン(Spark プラン)と有料プラン(Blaze プラン)が存在していますが、使用する機能によって有料となるかが変わってきます。なお、今回のように、Google Analytics for Firebaseを使用するだけでは、直接費用が発生することはありませんが、他の機能と組み合わせることで費用が発生する可能性があります。有料機能を確認せず使用してしまうケースもあるため、開発担当者と事前に確認を行いましょう。
以下に記載の通り、Analyticsは無料と記載されていますが、
- Authenticationの機能を使用してユーザー認証を行う
- Cloud Storageの機能を使用して画像の保存を行う
などの用途でも使用する場合は有料の可能性があることに注意してください。
まとめ
今回はGoogle Analytics for Firebaseの導入について紹介させていただきましたが、Google Analyticsにて使用する場合にはそれぞれの機能の使い方をさらに詳しく知る必要がございます。今後そちらについても紹介させていただきますので、ぜひご覧ください。
なお、Firebaseの導入についてご希望の方はぜひGLASSまでお気軽にお問い合わせください。
株式会社GLASSのメンバーです。GLASSではテクノロジー活用に特化したデジタルマーケティング・DXのコンサルティングを行っています。マーケティング施策の中心となる「データ基盤」の構築・戦略設計・施策展開を支援し、エージェンシー的に実務代行も一貫して行うことで常に成果にコミットしています。