AppsFlyerの導入を検討されている方は、アプリ内のユーザー行動計測を目的とされている方も多いのではないでしょうか。今回はAppsFlyerのアプリ内のユーザー行動計測にあたるアプリ内イベントの設定方法やアプリ内イベント選定基準、開発担当者への依頼時の準備や注意点などをご紹介いたします。アプリマーケティングを実施する上ではインストールに加えて、WEBマーケティングで言うところのCVにあたるアプリ内イベントが不可欠ですので、参考になりましたら幸いです。
なお、AppsFlyerの概要についてはこちらの記事でも紹介しております。
AppsFlyerのイベントおよびアプリ内イベントとは?
AppsFlyerはアプリをインストールするという「行動」の計測を行うためのツールであると同時に、インストールしたユーザーのアプリ内での「行動」の計測も行うことが可能です。 これらの「行動」をAppsFlyerでは「イベント」と呼称し、特にアプリをインストール後のアプリの中で行ったイベントを「アプリ内イベント」と呼びます。
アプリ内イベントは、「会員登録」「購入」「特定ページの閲覧」「ボタンクリック」など多岐にわたります。また、ゲームアプリの場合は、「チュートリアルクリア」「レベルアップ」「特定ステージへの到達」などのゲームに即した内容をアプリ内イベントとして設定可能です。
なお、AppsFlyerのアプリ内イベントには、予め定義されている規定イベントとアプリ内容に合わせてカスタマイズ可能なカスタムイベントの二種類が存在します。
AppsFlyerのアプリ内イベントでできること
アプリ内イベントを用いることで、インストール計測のみではなく、ユーザーの行動計測ができます。さらに、AppsFlyerでは、広告媒体のキャンペーン別、SNSアカウントや投稿別で計測ができることが強みですので、どの施策がユーザーに対し、有効かを調査・分析することができます。
例としては以下のようなことができるようになります
- 会員登録数を広告媒体ごとに計測した結果、グーグル広告とInstagram広告でどちらが会員登録数が多いか分かるようになる
- TwitterやTiktokなどのSNS広告とインフルエンサーのPR投稿したアプリインストールURLのどちらから購入するユーザーが多いかが分かるようになる
設定するアプリ内イベントの選定基準や方法
続いて、アプリ内イベントの選定基準や方法についてご紹介します。
選定基準
アプリ内イベントは数が多いと他の指標との混同をしてしまう可能性があるため、10~20個を上限とし、選定することをおすすめします。選定の際にはどのアプリイベントが何をトリガーとしているかが分かる一覧表の作成がおすすめです。一覧表は次項のスプレットシートを参考にしてください。
そのうえで、選定の基準ですが、ユーザーのマイルストーンとゴールを意識した選定を行ってください。アプリでのゴール(会員登録、購入、30日継続など)を設定した上で、そちらに至るまでのマイルストーン(必要な行動)をイベントとして設定するようにしましょう。一方で、全ページの閲覧情報やメッセージ内容など、イベントの種類や回数が多いものは直接的なマイルストーンとは言えず、選定からは外すことをお勧めします。
選定方法
お時間が許せば、まずは開発チームで遷移図や開発中のアプリ画面を見ながらのディスカッションをおすすめします。開発上の理由で計測が難しい、また、計測するイベントトリガーの考え方を変えなければならないことがあるためです。
なお、お時間がない場合や、まずは何かを参考にしたい場合は、AppsFlyerで規定イベントや推奨(カスタム)イベントをアプリジャンルごとにまとめておりますので、こちらを確認いただくのが良いです。規定イベントについてはすでにコードの推奨例があるため、開発も容易になります。
それぞれのアプリジャンルの推奨イベントは以下の参考に記載されております。
参考:アプリ内イベント
アプリ内イベント設定に必要な準備や情報
設定するアプリ内イベントが決まりましたら、続いては設定に必要な準備をご紹介させていただきます。AppsFlyerの導入時には、アプリSDKの組み込みが必要になりますが、アプリ内イベントはそれに付随し、組み込みが必要となりますので、開発担当者に引き継ぎをするときは、別途導入の依頼を行うようにしてください。また、スプレットシート等で以下の情報等をおまとめいただくと導入もスムーズとなるでしょう。
- アプリ内イベントのイベント名
- 自動的にトリガーされるタイミング
- 設定するパラメータ
- パラメータの説明
- 取得理由
なお、先程ご紹介したAppsFlyerのアプリジャンルごとの推奨イベント設定をご確認いただくと、必要な情報の記載例がわかりやすいです。規定イベントについては、すでにコードの推奨例があるため、開発も容易になりますので、おすすめです。
以下は、「ゲームアプリ向けの推奨イベント(登録完了)」を参照した場合の情報の記載例です。
- アプリ内イベントのイベント名
- af_complete_registration
- 自動的にトリガーされるタイミング
- ユーザーがサインアップ手順を完了したとき
- 設定するパラメータ
- af_registration_method
- パラメータの説明
- サインアップ方法のタイプ(値の例:Email、Facebook)
- 取得理由
- アプリをインストールし、サインアップを完了したユーザーがどれだけいるか、またユーザーが好むサインアップ方法を確認するため
このように、アプリに合わせて設定するイベントを事前に選定し、開発を行うことがアプリマーケティングにおいては重要となります。設定するイベント内容について不明点がございましたら、ぜひ弊社までお問い合わせください。
アプリ内イベントジェネレーターについて
前述のアプリ内イベント設定の準備では、マーケターと開発担当者が細かな連携を行う必要がございます。その、連携を簡略化するためにAppsFlyerが用意しているツールがアプリ内イベントジェネレーターです。
AppsFlyerの公式ページでは、アプリ内イベントジェネレーターを使用することで次のことができると紹介されています。
- 業界・アプリカテゴリ別に事前定義された 推奨イベント とパラメーターのセットを使用します。
- 参照用に、事前定義またはカスタマイズされたイベント / パラメーター、説明、トリガー、および例を追加または削除します。
- 自動生成されたコードをAndroidおよびiOSモバイル開発者に送信することで、作業日数、冗長な通信、潜在的なエラーを節約できます。
- 後でイベントを更新したり、新しいイベントを追加したり、新しいアプリを追加したりする場合は、作業を再利用します。
アプリ内イベントジェネレーターは、あくまでマーケターと開発担当者をつなぐツールですので、初めての導入の場合は、ディスカッションやシートでの細かなやりとりもご検討いただくと良いでしょう。
アプリ内イベントの設定確認
無事に開発が完了しましたらアプリ内イベントの設定確認を行うようにしてください。開発担当者がすでにテストを行っている場合でも、依頼したトリガー設定通りにイベントが計測できているか確認をするようにしてください。アプリ内イベントの計測テストはAppsFlyerの公式ページでも案内がありますので、こちらを参考にテストを完了するようにしましょう。
アプリ内イベント設定時の注意点
ここまでアプリ内イベントについてご紹介しましたが、最後にアプリ内イベント設定の注意点をご紹介します。
アプリ内イベントのポストバック設定を行う
アプリ内イベントの設定を行いましたら必ずポストバック設定を合わせて行うようにしてください。特に、ポストバック期間の設定は、イベントの成果を正しく評価する際に重要となりますので、確認するようにしましょう。また、各広告アカウントとも連携を行い、広告管理画面へも計測結果をポストバックする場合は同じようにその設定をするようにしてください。
AppsFlyerで計測すべきイベントかをアプリに合わせて判断する
アプリによってはFirebaseなどの別の分析ツールや、アプリ独自に構築した管理画面でも計測をするケースがございます。アプリ内イベントで計測すべきか否かは、対象アプリのツール使用状況や体制に応じて判断するようにしましょう。以下は、AppsflyerとFirebase、独自管理画面を併用する場合の判断例です。
- 媒体や流入経路ごとに、分析をする可能性があるイベントはAppsFlyerでも取得をする
- その可能性がないものは、Firebaseの取得に集約する
- AppsFlyerで取得できないユーザーの属性はイベントで取得不可のため、独自で構築した管理画面から確認をする
まとめ
今回は、AppsFlyerのアプリ内イベント設定についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。アプリ内イベントはAppsFlyerを初めて導入される場合、イベント選定やその後の分析が難しい項目です。当社では、AppsFlyerの導入支援を行っており、アプリ運用とアプリマーケティングのどちらの経験もある立場からそのアプリに合わせたご提案をさせていただいております。もしご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
株式会社GLASSのメンバーです。GLASSではテクノロジー活用に特化したデジタルマーケティング・DXのコンサルティングを行っています。マーケティング施策の中心となる「データ基盤」の構築・戦略設計・施策展開を支援し、エージェンシー的に実務代行も一貫して行うことで常に成果にコミットしています。