前回までの記事でアプリマーケティングで必要なツールやASOの取り組みについて紹介をしてきました。今回はよりアプリマーケティング全般についてアプリをリリースする前に必要な準備についてご紹介いたします。
参考記事:【アプリマーケター必見!】アプリマーケで検討必須のツールまとめ
参考記事:アプリマーケティング重要施策!アプリストア運用の鍵を握るASO対策とは?
アプリマーケティングの準備に必要なこととは
アプリをリリースする前のマーケティング準備は、リリース後の分析や改善を円滑に行うために非常な重要なこととなります。
私が考える必要な作業の概要は以下の通りです。もちろん、広告代理店の活用や、各種プロモーション施策に合わせて準備事項が変わる可能性はございますので、ご不明点がある方はぜひご連絡ください。
参考記事:アプリ運用者必見!アプリ広告の広告代理店選定時のポイントとは?
- マーケティング分析基盤の構築
- マーケティング施策の策定
- マーケティング施策の実施準備
- ASO
マーケティング分析基盤の構築
アプリのリリースに合わせてアプリ計測ツールの導入など、分析基盤の構築が必要となります。
なぜ必要なのか
アプリ計測ツール(アトリビューションツール)はアプリのインストール数やインストール経路(広告の各媒体ごとやSNSアカウントなど)、アプリ内のアクション(会員登録)等を計測することが可能となるツールです。iOSやAndroidの公式ツールで分析が難しい、詳細な分析の上で使用するツールです。具体的に広告ごとのインストール数の把握や、継続率の把握などにおいて必須となります。また、昨今のスマートフォン端末のプライバシー規制にも柔軟に対応する姿勢を見せており、導入をしておくことで今後の分析の際に心強いです。複数のツールが用意されていますので、検討の上導入をおすすめします。
必要な作業
ツールの導入に対しては以下のような作業が必要となりますので、準備をおすすめします。1~2ヶ月ほど導入に期間が必要と考えていただくとよいかと思います。
- 流入計測SDK導入(Firebase,Adjust,Appsflyer等)
- 導入にあたり開発会社もしくは担当者との連携
- 計測SDKのイベント設計
- リリースするアプリに合わせて会員登録やログインボーナスなどの設計が個別に必要です
- 各種広告媒体とのツール連携
- 広告媒体とツールを連携することで計測が可能となるため対応が必要となります。
マーケティング施策の策定
リリースするアプリに合わせて、以下のような広告宣伝施策の策定をしましょう。前述した計測ツールとの連携を忘れずに行いましょう。
- マーケティング施策の種類の例
- 運用型広告
(Google/Yahoo/Facebook/Instagram/Twitter/AppleSearchAds/アドネットワーク/LINE/Tiktokなど) - 御社サービス内回遊
- 店舗での集客
- SNS
- TVCM
- 成果型アフリエイト広告
- インフルエンサーとのタイアップ
- 運用型広告
策定の進め方
策定の際は、アプリ内の目標設定や予算から決定することをおすすめします。広告のCPIやインストール件数の見積もりが難しい場合は、弊社などのマーケティング支援会社にご相談ください。
- 予め決定されている指標から策定する
- CPI上限が〇〇〇円と決まっている
- CPIがそれ以下になる見込みの媒体選定を行う
- 月のインストール数が◯◯件以上と決まっている
- インストール数の達成が目指せる媒体選定を行う
- CPI上限が〇〇〇円と決まっている
- 予め決定されている予算から策定する
- 予算内で指標の達成が見込める施策を策定する
マーケティング施策のメリット・デメリット
目標に合わせて宣伝施策を策定する以外にもメリットやデメリットがございます。特に予算に合わせて策定する場合は、施策ごとに費用感が異なりますので、必ず確認するようにしましょう。
NO | 項目 | メリット | デメリット | 優先度 |
1 | 運用型広告 | 集客したいユーザーに合わせて媒体を柔軟に選定。また予算や成果に合わせて運用が可能。 | 成果の出る媒体やターゲティングを導き出すのに期間と予算がかかる。また、成果が出ない媒体も発生しうる。※運用経験が必要となる。 | 高 |
2 | 御社サービス内回遊 | 無料で実施が可能。 | バナー等の設置箇所によって集客数が異なる。 | 高 |
3 | 店舗での集客 | 無料で実施が可能。 | 店舗側の協力が必要。 | 中 |
4 | SNS | 無料で実施が可能。 | SNSが立ち上がるまでは集客数が安定しない。 | 中 |
5 | TVCM | TVCMを行っている事自体がネームバリュー。認知度を大きく向上させることができる。 | 費用が大きくかかる。効果測定が難しい(直近は計測可能なTVCMサービスも増加) | 低 |
6 | 成果型アフリエイト広告 | CPI固定のメニューが有り、CPIを安定化させやすい。 | 継続率の低いユーザーを集客してしまう可能性があるため媒体選定を慎重にする必要がある。 | 中 |
7 | インフルエンサーとのタイアップ | フォロワー層がターゲットに沿っていることで効果を最大化できる。 | インフルエンサーによって費用が大きくかかる。 | 低 |
マーケティング施策の実施準備
それぞれ以下のように実施の準備が必要となります。準備が難しい、具体的な対応内容がわからないという方はお気軽にご相談ください。
- 運用型広告の場合(実施する広告種別によって詳細は異なります)
- 広告アカウントの開設とアプリ情報の登録、アプリ解析ツールとの連携、広告バナー等のクリエイティブ制作
- 御社サービス内回遊
- バナー設置箇所の決定、広告バナー等の制作、掲載のための開発
- 店舗での集客
- ポスターやポップなどの制作、掲載依頼の作成
- SNS
- SNSアカウントの開設、運用フローの整備
- TVCM
- 代理店への相談、動画制作
- 成果型アフリエイト広告
- アフリエイト事業者との調整、クリエイティブ制作、アカウント開設
- インフルエンサーとのタイアップ
- インフルエンサー事業者との調整、企画策定
ASO
マーケティング施策以外に、アプリの入口となるアプリストアの充実も重要となります。当ブログではASOについても詳しく紹介しており、ぜひこちらの準備もすることをおすすめします。
参考記事:【ASO対策】アプリのCVR(インストール率)を高める対策方法と重要点
まとめ
アプリリリース前は開発やアプリの審査で他の作業が忘れられがちです。せっかくリリースしたアプリでも正しく計測やマーケティング施策の準備ができていないと長期的な運用が疎かになってしまいます。今回ご紹介した内容をもとにマーケティングの準備を進めていきましょう。
株式会社GLASSのメンバーです。GLASSではテクノロジー活用に特化したデジタルマーケティング・DXのコンサルティングを行っています。マーケティング施策の中心となる「データ基盤」の構築・戦略設計・施策展開を支援し、エージェンシー的に実務代行も一貫して行うことで常に成果にコミットしています。