Fivetranとは?特長は?
データ転送の会社であり、自動でデータパイプラインを構築するSaaS型のクラウドサービスです。簡単にいうと、広告媒体や計測ツールなどのサービスのデータを管理画面からダウンロードせずに、自動的にデータを指定の場所に転送してくれるサービスです。
このようなサービスは国内外に数多くあるのですが、対応している連携サービスの数では圧倒的に海外系サービスが多いです。その上で、当社GLASSにおける各種サービス利用比較の中で、マーケティング領域においてはもっともおすすめできるサービスになります。Fivetranは海外サービスの中でも連携サービス数や利用のしやすさとして最も優れていると言えます。

Fivetranの料金設定には6つの原則がある
Fivetranを利用するときに気になるのは料金でしょう。下手に使って高額な料金が課金されてしまってはと考えると、怖いですよね。基本的には英語のサービスになりますので、料金ページも英語になっております。
本記事ではこの料金についての不安を解消致しますが、まずFivetranの料金には6つの原則がありますのでご説明致します。
1.使用した分だけ料金が発生
月間アクティブ行数 (MAR、Monthly Active Rows) に対してのみ課金されます。MARとは、BigQueryなどのデータ転送先に同期されたユニークなレコード数のことで、1 rowは1ヶ月に1度だけカウントされます。これにより、いくらデータ量が多くても、何度も重複して課金対象になるということはありません。これは安心ですね。

2.初回の同期は全て無料
どのコネクタ(Google広告、GA4などのデータ連携先)や新しいテーブルを使い始めても、最初の初回同期 (ヒストリカルシンク) は無料です。そのため、いっきに初回でデータを過去1年に遡って多めにとっておこれは無料になります。相当安心ですよね。私はこれがなかったら多分Fivetran使っていません。笑
3.多く使っても安価
同期するデータがユニークであればあるほど、単価は下がり、1行あたりの単価は自動的に下がります。
4.コネクタの追加と削除はいつでも可能
コネクタの追加や削除も必要なときにいつでも実施できますので必要なくなったら削除して課金対象になることがないようにできます。
5.全コネクタを無料で試せる=料金の予測が可能
初回の同期が無料なのに加えて、どのコネクタも14日間無料で使用でき、MAR、テーブルごとの使用率などの指標を見ることができます。ここであまりにも高額になりそうなコネクタやその設定があれば削除や変更で課金額の調整ができます。
6.コネクタとテーブルの再同期は無料
自分自信やFivetran によって実行された再同期は、データベースコネクタによる再同期と同様、全て無料です。
6つの原則まとめ
ここまでの原則を見るとかなり利用ハードルを下げ、無駄を削ぎ落として料金設定になっていることがわかりますよね。
Fivetranの料金【5つのプランごとに解説】
Fivetranには5つの料金プランがあります(Y Combinator Promotions とうプランもありますが超レアな企業のみなのでここでは無視します)。※2023年2月に料金の改定がありました

フリー
まず使い始めの方におすすめのプランで、連携して取得するデータ量が少ない場合やとりあえず使用感をお試ししたいケースはこちらを選択します。
- クレジットカードの入力不要
- スタンダードプラン(後述)の全て
- 50万MAR(月間アクティブ行数)までは永久無料
ここでのポイントは50万MARがどのくらいかなのですが、結構多いです。当社GLASSでは複数のクライアント向けにFivetranを利用しておりますが、単一の会社で利用する分には50万MARは十分といえます。もちろん、取得するデータを何でもかんでも追加してしまうとこれを超えてしまいますが。
1点注意として、都合よくフリープランを利用し続けることはできないということがあります。具体的な条件は以下です。
- 初めて使用制限を超えた場合は、フリープランのまま 1 か月の猶予期間
- 2回目に使用制限を超えた場合は、強制的に有料プランを選択する必要があり
スターター
フリープランの制限を超えた場合に選択するプランのイメージです。
- 10 ユーザー
- 1時間毎の同期頻度
- 300以上のコネクタ
- 自動スキーマ統合
- dbt Coreとの統合
- ユーザー権限管理
スタンダード
FivetranのAPIアクセスが必要であったり、複数ユーザーで管理する場合に利用するイメージです。
- スタータープランの全て
- ユーザー無制限
- データベースコネクタ
- 最大15分に一回の同期頻度
- Fivetran APIへのアクセス
エンタープライズ
FivetranのAPIアクセスが必要であったり、複数ユーザーで管理する場合に利用するイメージです。
- スタンダードプランの全て
- エンタープライズデータベースコネクタ
- 最大5分に一回の同期頻度
- 高度なデータガバナンス
- 高度なセキュリティ
- 優先サポート
ビジネスクリティカル
さらに最高レベルのプランです。
- エンタープライズプランの全て
- PrivateLink (AWS または Azure)
- HVRソリューションへのアクセス
- PCI DSS Level 1
- クラウドリージョンの選択
- Customer-managed keys for encryption
当社の実際の課金例
管理画面左メニューの “Account Settings > Billing & Usage” から確認できます。
プランは「スターター」で、実際の月額の利用料金は$187で1ドル132円換算で約25,000円です。利用しているコネクタは、
- Pinterest広告
- Google Analytics(ユニバーサルアナリティクス 2アカウント分+MCF)
です。他のサービスで利用しているため、このアカウントでは利用停止しているサービスもあります(Salesforce, Appsflyerなど)。ほとんどがGoogle Analyticsの利用になりますが、料金はかなり工夫して絞っているので単月だけでみればフリープランでも利用できるくらいになっています。

画面としては、このページにアクセスすると下記のように、課金データであるBilling と 詳細な利用データである Usage を確認できます。


ここで見えるように、サービスごとのMARまで確認できます。是非利用してみてください。
当社GLASSではFivetranの利用サポートも行っております。お困りの点などあればお問い合わせくださいませ。
株式会社 GLASS代表。広告からSEOなどあらゆるデジタルマーケティングに精通するデータアナリスト。徹底的に現場に根付いた、スピーディーでシンプルなデータ分析環境の構築と施策推進を得意とする。
<経歴>
株式会社マイネットでモバイルCRMサービス(後にYahoo! JAPANに売却)のマーケティング部長、モバイルアプリ事業を立ち上げ。Googleで広告代理店営業マネージャーとして国内50社以上の広告代理店のコンサルティング。通信テクノロジー業界シニアアカウントマネージャーとして大手企業向けのマーケティング支援に関わる。