GLASSのWebデザイナー、中澤です。
今回は私自身理解するまで苦戦した、Figmaの料金や権限周りに関するお話をしたいと思います。
Figmaは、デザイン作業で広く利用されているツールであり、Figma(フィグマ)、FigJam(フィグジャム)といったサービスを提供しています。
しかし、これらのサービスの料金体系や権限設定は複雑で、誤解しやすい点が多々あります。
「想定よりも多い請求金額になってしまった!」「Figmaの権限と料金の関係性がよくわからないまま…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
本記事では、各サービスの料金体系と、チーム内での課金者と無課金者の権限に関する注意点を解説します。
Figmaの料金管理で困っている方はぜひ最後までご覧ください!
※この記事では、「ユーザー」をFigmaの呼称である「メンバー」として記載しています。
各サービスの料金について
まずは、Figma、FigJamの料金プランをご紹介します。
2025年3月11日より、料金が改定されます!
2024年末から公式アナウンスがありましたが、Figma Designの値上げが25年3月より行われます。
改定時の大きな変更点は以下の通りです。
- 請求モデルの再構築:ユーザーごとに自由にアップグレード出来てしまう設定が、デフォルトで管理者にシートアップグレードの事前承認が必要になります
- すべてのシートの機能を拡充:すべてのFigmaの有料プランでFigJamとFigma Slidesを利用できるようになります
1つ目の請求モデルの再構築により、記事で説明していた過払い問題がかなり解消されると思います!(具体的に過払いがどうして発生してしまうかは以降の記事説明をご確認ください。)
Figmaの料金体系
2025年3月11日からの料金を「新」、それまでの料金を「旧」としています。
料金プラン | 「スターター」 | 「プロフェッショナル」 | 「ビジネス」 | 「エンタープライズ」 |
---|---|---|---|---|
単月の月額 (編集者1人あたり) | 無料 | (旧)2,250円 (新)約3,000円 | 年払いのみ | 年払いのみ |
年払いの月額 (編集者1人あたり) | 無料 | (旧)1,800円 (新)約2400円 | (旧)6,750円 (新)約8,300円 | (旧)11,250円 (新)約13,600円 |
おすすめな方 | 個人・小規模プロジェクト向け | 中小企業チーム向け | 大企業チーム向け | 大企業チーム向け (セキュリティ面も強化) |
スタータープランはすべて無料ですが、作れるファイル数に制限があります。
プロフェッショナル・ビジネス・エンタープライズの有料プランは、チームが所有するフルデザインシート(編集権限のあるメンバー)の数だけ料金が発生し、閲覧権限のみのメンバーは無料です。
各プランの詳細や最新情報は、公式サイトをご確認ください。
FigJamの料金体系
FigJamは、Figmaが提供するオンラインホワイトボードツールです。
2025年3月からは、Figmaのすべての有料プランで利用が可能です。
各プランの詳細や最新情報は、公式サイトをご確認ください。
参考:Figma Slide(ベータ版)の料金体系
Figma Slide(フィグマスライド)は、Figma内でプレゼンテーションを作成・共有できる機能です。
2025年3月からは、Figmaのすべての有料プランで利用が可能です。
Figma Slidesについての詳しい情報は公式サイトをご確認ください。
課金に関する注意点
料金体系でも記載したとおり、チーム内での編集権限を持つメンバー(エディター)は課金対象となり、閲覧のみのメンバー(ビューワー)は無料です。
そのため、チーム内での権限設定を適切に行わないと、不要な課金が発生する可能性があります。
編集権限のあるメンバー数=課金対象
編集権限を持つメンバー(エディター)が課金対象となります。
例えば、プロフェッショナルプラン・ビジネスプランのチームでは、以下のような支払いになります。
2025年3月11日からの料金を「新」、それまでの料金を「旧」としています。
プラン | シート数 (=エディターのメンバー数) | 1カ月あたりの費用 | 年間の費用 |
---|---|---|---|
プロフェッショナル | 1 | (旧)1,800円 (新)2,400円 | (旧)21,600円 (新)28,800円 |
10 | (旧)18,000円 (新)24,000円 | (旧)216,000円 (新)288,000円 | |
50 | (旧)90,000円 (新)120,000円 | (旧)1,080,000円 (新)1,440,000円 | |
ビジネス | 1 | (旧)6,750円 (新)8,300円 | (旧)81,000円 (新)99,600円 |
10 | (旧)67,500円 (新)83,000円 | (旧)810,000円 (新)996,000円 | |
50 | (旧)337,500円 (新)415,000円 | (旧)4,050,000円 (新)4,980,000円 |
Figmaでは、ファイルごとに細かい権限設定が可能です。
しかし、この柔軟性が逆に複雑さを生み、適切に管理しないと無駄なコストが発生する原因となります。
チーム内で複数のメンバーに編集権限を付与すると、その分だけ課金対象が増加します。
「誰が編集するかわからないから社員全員を編集権限を持つメンバー(エディター)としておこう」と編集権限を無暗に付与してしまうと、想定上の請求金額になってしまうのでご注意ください…!
- 編集権限を持つメンバー1人1人に費用が掛かるため、編集するメンバーの数は慎重に決める必要がある。
- 閲覧のみのメンバーは無料。
(管理者向け)過払い防止対策をしよう!
ここからは、チーム上の課金状態やFigmaの請求金額の確認方法、過払いしないために再確認したいポイントについてご説明します。
※手順の操作がすべて可能なメンバーは、権限が「オーナー」、「管理者」、「組織管理者」の場合です。
前述のとおり、2025年3月11日の料金改定でユーザーがそれぞれ自由に権限をアップグレード出来てしまう設定が、デフォルトで管理者にシートアップグレードの事前承認が必要になります。
それにより、編集権限の必要のないユーザーがオーバースペックの状態になる可能性はだいぶ低くなると考えられます。お見知りおきください!
メンバーごとのデザインシート保有状態
- Figmaにログイン
- 「オーナー」、「管理者」、「組織管理者」のアカウントでFigmaにログインします。
- ファイルブラウザを開く
- 左側のサイドバーから「ファイルブラウザ」を選択します。
- 管理者メニューにアクセス
- サイドバー「管理者」をクリックします。
- メンバータブを選択
- 「メンバー」タブをクリックします。このタブでは、チームに招待されているメンバーのリストが表示されます。

デザインシートのタイプを確認
「デザインシートタイプ」とは、チームメンバーが有料メンバーか無料メンバーかどうかを判別するカテゴリのようなものです。
各メンバーのデザインシートタイプを確認できます。
シートタイプは、メンバーがどのような権限を持っているかを示す重要な情報です。
「デザインシート」の「フル」、「閲覧者」の違いについて、以下で説明します!
フル、閲覧者 デザインシートのタイプの違い
- フル(有料シート)
- ファイルの作成と編集、各製品(課金したサービスごと)の全機能の使用、チームまたは組織の他のメンバーとの同時に作業することができます。
- 閲覧者(無料シート、デフォルト)
- ファイルを閲覧しコメントを追加することができます。
また自分のドラフトでファイルを作成し編集することもできます。 - Figmaの初期設定では新規メンバー追加時には、この「閲覧者」がデフォルト権限です。
- ファイルを閲覧しコメントを追加することができます。
- デザインシートが「フル」のメンバーは有料課金されている。
- 新規メンバーを追加する時のデフォルトが「閲覧者」である。
- 「閲覧者」が編集権限を得るためには、管理者にシートアップグレードの事前承認が必要である。(2025年3月11日料金改定後)
請求金額の確認手順
- 請求タブを選択:
- サイドバー「管理者」内の「請求」タブをクリックします。このタブでは、請求書の履歴や現在の請求金額を確認できます。
- (備考)請求書の確認:
- 請求タブ内で、過去の請求書の「請求書を表示」をクリックすることで、明細を確認できます。

万が一、請求額が想定よりも過払い状態になってしまっている場合でも、次回の請求書発行日までにメンバーのデザインシートタイプの見直しと調整を行えば請求額は即時に反映されるので問題ありません!
メンバーがシートをアップグレードした場合や、請求通知を受けるには
管理者の場合は、誰がアップグレードしたか、どのプランにアップグレードにしたかの通知や、請求額の確認メールを設定できます。
- 設定タブを選択:
- サイドバー「管理者」内の「設定」タブをクリックします。
- 「シートアップグレードの概要」「請求連絡先」をクリック:
- 「シートアップグレードの概要」(誰がアップグレードしたか、どのプランにアップグレードにしたかの通知)「請求連絡先」(請求額の通知)の通知先や通知頻度をそれぞれ設定します。

より確実な対策として:無料のチームを別で設ける(制限あり)
不要な課金を防ぐために、普段Figmaを使わない方が臨時でFigmaを利用する場合などは、ファイルを新規作成する際に別の無料チーム(スタータープラン)を作成するなどの手段を取るのが良いでしょう。
無料のチーム内で作成できるファイル数は、FigmaとFigJamでそれぞ3つまでに限られていますが、編集可のメンバーや閲覧のみのメンバーは何人でも招待できます。(2024年11月末時点)
ただし、スタータープランは1プロジェクトかつ3ファイルしか作成できず、ファイル管理が煩雑になるので、大規模プロジェクトではなく社内施策や個人作業向けの小規模なファイル作成時の運用としておすすめです。
- 請求額の確認をこまめに行う。
- 通知設定を行うことで確認の抜け漏れを防ぐ。
- 小規模なファイル作成であれば無料チーム(スタータープラン)で確実に過払いを防ぐ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
Figmaの料金体系、少し複雑ですよね!
編集権限を持つメンバーの数や、各サービスの利用状況を定期的に見直し、余計な費用がかっていないかをチェックすることが重要です。
もし、Figmaを使い始めてから料金の見直しをしたことが無い場合は、ぜひこの機会にメンバーごとの権限確認をしてみてください!
illustration by Icons8

WEBデザイナー。2020年からは出版社のフロントエンジニア兼ディレクターとしてメディアの企画・運用改善に従事し事業成長に貢献。2023年に株式会社GLASS入社。