GLASSのWebデザイナー、中澤です。
この記事では、WordPress初心者向けに「カスタムタクソノミー」について説明します。
カスタム投稿タイプをより活用できるように、順番に解説していきますのでぜひ最後までご覧ください!
👇関連記事、「カスタム投稿タイプについて」も併せて読んでいただくとより理解が深まります!
カスタムタクソノミーって?
まずはカスタム投稿タイプとタクソノミー、それぞれの関係性を説明します!
WordPressでカスタム投稿タイプを作成すると、「カテゴリ」や「タグ」といった標準のタクソノミー(分類機能)だけでは管理しづらくなることがあります。
たとえば、以下のようなケースです。
- インタビュー記事を「業界」ごとに分類したい(例:IT業界、医療業界、教育業界)
- レシピサイト:「レシピ投稿」ごとに「料理ジャンル(和食・洋食・中華)」を設定したい
- ECサイト:「商品」に「ブランド」や「素材」などの独自分類を追加したい
このような場合に役立つのが「カスタムタクソノミー」です。
カスタム投稿タイプとカスタムタクソノミーの関係
カスタム投稿タイプは、通常の「投稿」や「固定ページ」とは別の独自の投稿形式を作成する機能です。
一方、カスタムタクソノミーは、そのカスタム投稿タイプに対して独自の分類ルールを作成するためのものです。
例えば、インタビュー記事(カスタム投稿タイプ)に「業界」(カスタムタクソノミー)を設定すると、記事を「IT業界」「医療業界」「教育業界」などのカテゴリーに分類できます。
標準タクソノミー(カテゴリ・タグ)との違い
WordPressには最初から「カテゴリ」と「タグ」という2つの分類方法が備わっています。
しかし、これらは通常の「投稿」に紐づいており、カスタム投稿タイプには適用されません。
タクソノミーの種類 | 説明 |
---|---|
カテゴリ | 投稿を階層構造(親子関係)で分類できる |
タグ | 階層なしで自由にラベル付けできる |
カスタムタクソノミー | 任意の投稿タイプに適用でき、階層の有無も自由に設定可能 |
つまり、カスタム投稿タイプ専用の分類ルールを作りたい場合にはカスタムタクソノミーが必要になります。
カスタムタクソノミーの基礎知識
タクソノミーとは?
タクソノミー(Taxonomy)とは、WordPressにおける「分類システム」のことです。標準の「カテゴリ」や「タグ」もタクソノミーの一種ですが、WordPressでは自由に独自のタクソノミーを作成できます。
タームとは?
ターム(Term)とは、カスタムタクソノミーの中に登録される個別の分類項目のことです。
例えば、「業界」というカスタムタクソノミーを作成した場合、次のように分類されます。
📌 カスタムタクソノミーとタームの関係
- タクソノミー(分類)→業界
- ターム(分類項目)→IT業界、医療業界、教育業界
これにより、インタビュー記事を業界ごとに分類し、一覧表示することが可能になります。
タームの階層構造について
タームには、親子関係を持たせて階層構造を作ることもできます。
例えば、「IT業界」の中に「ソフトウェア」「ハードウェア」というサブカテゴリー(子ターム)を追加することも可能です。
📌 階層構造の例
- IT業界(親ターム)
- ソフトウェア(子ターム)
- ハードウェア(子ターム)
- 医療業界(親ターム)
- 病院(子ターム)
- 製薬(子ターム)
このように、タームの親子関係を活用することで、サイトの情報整理がさらに柔軟になります!
カスタム投稿タイプとの連携例
カスタムタクソノミーは、カスタム投稿タイプと組み合わせて使うことで、より柔軟なサイト設計ができます。
インタビュー記事に「業界」を追加すると…
📌 投稿例:インタビュー記事
- タイトル:「AI技術の最前線 – IT企業CEOが語る未来」
- 業界(カスタムタクソノミー):IT業界
- タグ(標準機能):AI、スタートアップ
このように、カスタムタクソノミーを利用することで、標準のカテゴリやタグとは異なる独自の分類ルールを作れます。
どんなサイトで活用できるか?
カスタムタクソノミーは、さまざまなサイトで活用できます。
✅ ECサイト
- カスタム投稿タイプ:商品
- カスタムタクソノミー:ブランド、素材、カテゴリー
- 例:「スマートフォン(カテゴリー)」「Apple(ブランド)」「アルミ(素材)」
✅ ポートフォリオサイト
- カスタム投稿タイプ:制作実績
- カスタムタクソノミー:業種、デザインカテゴリー
- 例:「企業サイト(業種)」「Webデザイン(デザインカテゴリー)」
✅ ナレッジベース(FAQサイト)
- カスタム投稿タイプ:FAQ
- カスタムタクソノミー:トピック、対象ユーザー
- 例:「決済(トピック)」「初心者向け(対象ユーザー)」
カスタムタクソノミーの作成方法(プラグイン「Pods」を使用した方法)
カスタムタクソノミーはコード(register_taxonomy()
)を使って登録することもできますが、WordPressのプラグイン「Pods」を使うと簡単に設定できます。
今回は、Podsを使って「インタビュー」投稿に「業界」というカスタムタクソノミーを追加する方法を解説します。
プラグイン「Pods」でカスタムタクソノミーを作ってみよう
まずは、プラグイン「Pods」をインストールしましょう。
👇 こちらからダウンロードできます
カスタムタクソノミー「業界」を作成
①Podsをインストールして有効化すると、左側のメニューに「Pods Admin」という項目が登場します。ここから新しいカスタムタクソノミーを作っていきましょう。

②「Create a new Content Type」をクリック

③ここで基本的な設定をしていきます
「Taxonomy Singular Label」と「Taxonomy Plural Label」に「業界」と入力して次へ

- 「単数形のラベル」はURLの一部として使われます。
- 「複数形のラベル」は管理画面に表示される名前です。分かりやすいように日本語で設定するのがおすすめです。
- もし、次の画面で「名前がないよ」というエラーが出たら、「Advanced」(上級者向け)をクリックして、名前欄が空になっていないかチェックしてみてください。
⑤Podsの編集画面で「Connections」タブをクリック
「Enable Connections to Post Types」で「インタビュー」を選択

- カスタムタクソノミーと投稿タイプ(例:インタビュー)とを関連付けます。
- インタビュー記事に特定のカテゴリやタグを適用しやすくなり、検索やフィルタリングがスムーズになります。
⑤Podsの編集画面で「Advanced Options」(上級者向け設定)タブをクリック
階層構造を持たせたい場合は「Hierarchical」をチェックしてください

- 「Hierarchical」にチェックを入れることで、親子関係を持つ階層型の構造を作成できます。
- 「業界」を親タクソノミーとして、例えば「テクノロジー」や「ファッション」などの子タクソノミーを設定できます。
- 訪問者は「業界」というカテゴリーをさらに絞り込むことができ、より特定のインタビュー記事を見つけやすくなります。結果として、ユーザーエクスペリエンスが向上します。
⑥最後に忘れずに保存!
- 画面右側の「Save Pod」(保存する)ボタンをクリックすれば完了です。
- 無事保存できると、管理画面のメニューに新しい項目「業界」が追加されているはずです。
カスタムタクソノミーの表示と管理
投稿編集画面への追加(管理画面のUI)
Podsプラグインで作成したカスタムタクソノミーは、自動的に投稿編集画面に追加されます。
📌 確認方法
- 「インタビュー」投稿の新規追加画面を開く
- 右側のメニューに「業界」の入力欄があることを確認
テーマ内でカスタムタクソノミーを表示(wp_get_post_terms()
)
例えば、インタビュー記事に設定された「業界」を表示したい場合、以下のコードをsingle-interview.php
に追加します。
<?php
$terms = wp_get_post_terms(get_the_ID(), 'industry');
if (!empty($terms)) {
echo '<ul>';
foreach ($terms as $term) {
echo '<li>' . esc_html($term->name) . '</li>';
}
echo '</ul>';
}
?>
カスタムタクソノミーのアーカイブページを作成
業界ごとのインタビュー記事一覧を表示するには、taxonomy-industry.php
を作成し、次のコードを記述します。
<?php get_header(); ?>
<h1><?php single_term_title(); ?> のインタビュー一覧</h1>
<?php if (have_posts()) : while (have_posts()) : the_post(); ?>
<h2><a href="<?php the_permalink(); ?>"><?php the_title(); ?></a></h2>
<?php endwhile; endif; ?>
<?php get_footer(); ?>
これで、「業界」ごとのインタビュー記事一覧が表示されます!
まとめ
この記事では、WordPressのカスタムタクソノミーについて解説しました!
- カスタムタクソノミーを使うと、カスタム投稿タイプごとに独自の分類が可能
- Podsを使えば、簡単にタクソノミーを作成できる
- テーマ内での表示は
wp_get_post_terms()
を活用 - タクソノミーごとの一覧ページは例えば、
taxonomy-タクソノミー名.php
を作成することで表示できる
カスタム投稿タイプと組み合わせることで、より自由度の高いサイト設計が可能になります!
👇 「カスタム投稿タイプの作成」について詳しく知りたい方は、こちらの記事もチェックしてみてくださいね!

WEBデザイナー。2020年からは出版社のフロントエンジニア兼ディレクターとしてメディアの企画・運用改善に従事し事業成長に貢献。2023年に株式会社GLASS入社。