現役でGA4とBigQueryを使いこなすGLASSマーケターがGoogle アナリティクス(GA4)の最新の注目すべきニュースを抜粋して解説します。
https://support.google.com/analytics/answer/9164320?hl=ja
GA4 の BigQuery Export でセッション トラフィック ソースの情報が利用可能に(7/19)
GA4 の BigQuery イベント エクスポートに新しいレコードが追加されました。このレコードには、エクスポートに含まれる各セッションの Google 広告および手動キャンペーンのコンテキスト情報が格納されます。この情報はセッション内のすべてのイベントで繰り返し使用されるため、BigQuery でのイベントのチャネル分析を高速かつ効率的に実施できるようになります。エクスポートされるデータは、GA4 の行動レポートで使用されるデータと同じです。
以前、”collected_traffic_source” はリリースされていてこれがセッションベースに近いと思われますが、今回は最後のクリックなのでよりマーケティング用途では正確だと考えて良いと思います。
ユーザーのセッション(サイト訪問)全体を通じて、最後にクリックされたトラフィックソースに基づいて記録されたデータになり、Google 広告や手動URMパラメーターに関連する最後のクリックの情報が反映されます。
以下、実際に取得可能なデータです。
フィールド名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
session_traffic_source_last_click.manual_campaign.campaign_id | STRING | 最後にクリックされた手動キャンペーンのID |
session_traffic_source_last_click.manual_campaign.campaign_name | STRING | 最後にクリックされた手動キャンペーンの名前 |
session_traffic_source_last_click.manual_campaign.medium | STRING | 最後にクリックされた手動キャンペーンのメディア(例:有料検索、オーガニック検索、メール) |
session_traffic_source_last_click.manual_campaign.term | STRING | 最後にクリックされた手動キャンペーンのキーワード/検索用語 |
session_traffic_source_last_click.manual_campaign.content | STRING | 最後にクリックされた手動キャンペーンの追加メタデータ |
session_traffic_source_last_click.manual_campaign.source_platform | STRING | 最後にクリックされた手動キャンペーンのプラットフォーム(例:検索エンジン、ソーシャルメディア) |
session_traffic_source_last_click.manual_campaign.source | STRING | 最後にクリックされた手動キャンペーンのプラットフォーム内の特定のソース |
session_traffic_source_last_click.manual_campaign.creative_format | STRING | 最後にクリックされた手動キャンペーンのクリエイティブのフォーマット |
session_traffic_source_last_click.manual_campaign.marketing_tactic | STRING | 最後にクリックされた手動キャンペーンのマーケティング戦術 |
session_traffic_source_last_click.google_ads_campaign.customer_id | STRING | Google Adsアカウントに関連付けられた顧客ID |
session_traffic_source_last_click.google_ads_campaign.account_name | STRING | Google Adsアカウントの名前 |
session_traffic_source_last_click.google_ads_campaign.campaign_id | STRING | Google AdsキャンペーンのID |
session_traffic_source_last_click.google_ads_campaign.campaign_name | STRING | Google Adsキャンペーンの名前 |
session_traffic_source_last_click.google_ads_campaign.ad_group_id | STRING | Google Adsキャンペーン内の広告グループのID |
session_traffic_source_last_click.google_ads_campaign.ad_group_name | STRING | Google Adsキャンペーン内の広告グループの名前 |
実際にBigQueryのテーブルにもこのような形でデータが入っています。
高度なチャネル分析を可能にするため、BigQuery イベント エクスポートに UTM フィールドを追加(7/17)
BigQuery でのより高度なチャネル分析を可能にするため、トラフィック ソース レコードに 3 つの新しいフィールド(manual_creative_format、manual_marketing_tactic、manual_source_platform)が追加されました。
タグ診断の導入(6/27)
今回のアップデートでは、タグ診断ツールが新たに追加されました。このツールを使用すると、ウェブサイトのタグに関する問題を検出して修正し、データの収集精度を維持することができます。このツールには Google タグの設定からアクセスできます。問題が検出された場合は、タグ マネージャーのランディング ページからもアクセスできます。
タグ診断を使用してタグに関する問題のトラブルシューティングを行う方法の詳細
GA4 のアトリビューション モデルの更新(6/10)
今後 2 週間にわたって GA4 のアトリビューション モデルを更新し、コンバージョンに対する貢献度を有料検索キャンペーンに割り振る精度を高めます。
現状では、コンバージョンに対する貢献度として有料検索に割り振られるべきものが、誤ってオーガニック検索に割り振られることがあります。この現象は、シングルページ アプリケーションで特によく発生します。具体的には、有料検索のクリックを識別する「gclid」パラメータが、ページビューをまたいで保持されない場合に発生します。
今回の更新では、コンバージョンの貢献度の割り振り方を調整し、各ページの最初のイベントでキャンペーン情報が正確に取得されるようにします。サイトから離脱したユーザーが別のチャネルから戻ってきた場合、そのアトリビューションが適切に更新されるようになります。
今回の変更により、有料検索に貢献度が割り振られるコンバージョンの数が増え、広告キャンペーンの費用に影響が及ぶ可能性があります。この更新が実施される前に予算の上限を確認し、必要に応じて調整することを強くおすすめします。
Salesforce からのデータ インポート(4/9)
データ インポートのデータソースとして Salesforce が追加されました。Salesforce から Google アナリティクスにデータをオフライン イベント データとして直接インポートできるようになりました。日単位または時間単位でインポートを実行するようスケジュール設定したり、インポートする Salesforce の既存のマイルストーンと属性を選択したりできるようになります。Salesforce マイルストーンは GA4 イベントとして収集されます。また、既存の Salesforce 属性を GA4 ディメンションとしてインポートすることもできます。
Salesforce データ インポートを実装する方法の詳細
手動トラフィック ソースのディメンションとレポート(2/8)
ユーザー スコープ、セッション スコープ、イベント スコープのバリエーションの、プラットフォームに依存しないトラフィック ソースの 8 つの新しいディメンションを追加しました。これらの新しいディメンションは、有料トラフィックとオーガニック トラフィック、Google メディア、第三者メディアに一貫して適用されるため、クロスチャネル レポート、データ探索、セグメント、オーディエンスでユーザーの行動とパフォーマンスをより効果的に分析できます。
- 手動の参照元
- 手動のメディア
- 手動参照元 / メディア
- 手動キャンペーン名
- 手動キャンペーン ID
- 手動キーワード
- 手動コンテンツ
- 手動参照元プラットフォーム
これらの新しいディメンションは、ウェブサイトの場合はクリック URL で渡される UTM パラメータ値、モバイルアプリの場合は campaign_details イベントで渡される以下の新しい UTM 値に基づいて入力されます。
- FirebaseAnalytics.Param.CAMPAIGN_ID
- FirebaseAnalytics.Param.SOURCE_PLATFORM
セッション スコープのディメンションは、新しい手動レポートでも利用可能です。この手動レポートには、ライフサイクル コレクションの集客サマリー レポートで [手動で作成したキャンペーンを表示] をクリックするとアクセスできます。
株式会社 GLASS代表。広告からSEOなどあらゆるデジタルマーケティングに精通するデータアナリスト。徹底的に現場に根付いた、スピーディーでシンプルなデータ分析環境の構築と施策推進を得意とする。
<経歴>
株式会社マイネットでモバイルCRMサービス(後にYahoo! JAPANに売却)のマーケティング部長、モバイルアプリ事業を立ち上げ。Googleで広告代理店営業マネージャーとして国内50社以上の広告代理店のコンサルティング。通信テクノロジー業界シニアアカウントマネージャーとして大手企業向けのマーケティング支援に関わる。