Excel・Google spread sheet の関数は「Chat GPT」などのAIを活用すれば、数秒で複雑な関数を実装することが可能になります。すでに使っている方へも「実践での事例」をご用意しましたので、気になる目次がありましたら是非ご覧ください。
利用制限にご注意
ChatGPTなどのAIは1日に沢山利用してしまうと、制限によって回答を得られない状態になります(有料・無料などプランによって制限が変動します)。時間をおくとまた利用することはできますが、すぐに回答が欲しい時に利用できないという事があります。
トークン制限
ChatGPTの無料プランにおけるリクエスト数(制限)については、提供元のOpenAIが明確に1日にどれくらいリクエストできるかを発表しているわけではありません。しかし、基本的には「トークン制限」という仕組みでリクエスト数が管理されています。質問が長いほど、その分多くのトークンを消費します。ただし、エクセルやGoogleスプレッドシートの関数に関する質問は比較的短いため、無料プランでも多くのリクエストに対応可能です。
頻繁に利用するなら有料も検討
複雑な関数を作成すると、修正回数も多くなります。必然的にトークンの制限にかかる可能性も高くなります。実際に使ってみて制限にかかるようであれば有料プランを検討するのも必要かと思います。
単純な回答は非ログインでも同じ
関数に関しては「ログイン(通常)」「非ログイン(mini)」のどちらも変わりません。最終的に回答してほしい答えは出てきます。

簡単なカスタマイズでも回答の質が変わる
ログインした状態で、右上のアイコンからメニューを開き「カスタマイズ」を選択するとモーダルが発生します。任意入力しカスタマイズしておくとちょっとだけ便利になります。

同じ内容をリクエストした結果
若干親切になってくれました。親切さが不要であれば「簡潔」「要点だけ」「説明不要」などの命令を入力しておくと良いでしょう。

命令文(プロンプト)がキモ
ChatGPT (AI)を利用し、自分の欲しい回答を得るためには、命令文(プロンプト)が一番重要です。
細部まで指示する
ChatGPT (AI)は人に相談しにくい細かい所まで指示しても怒りませんので、しっかりセル単位で指示することが重要です。
「A~G にデータが入っており、I2 関数を入れたい」という状況(下図)です。キャンペーン毎の費用を合算で出す関数を作成してみます。(一般的にはピポットテーブルで出来る機能ですが、関数でも処理が可能です)

プロンプト例
- 現在のセル「I2」に関数を入れたい。
- 列A~列G にデータが入っている。
- 1行目には列名があるので、データは2行目から利用
- C列のデータが複数あるので、種類ごとにデータ名とG列の費用を合算で出してほしい。
検証結果は以下となります。
理想的な答えが返ってきて、実際に「I2」に関数を入力してもエラーは起きませんでした。成功です。

実現可能なのか?という内容でもOK
難易度が非常に高くても、一般的なリクエストにはおおよそ回答してくれます。関数名は知らなくてもOKなのでとにかく「やりたい事」を相談することが重要です。以下の覚えておきたい事例3選を是非ご覧ください!
覚えておきたい事例3選
シートを跨いでデータを繋げる(シート参照系)
「やりたい事」を依頼しながら、人に聞くように相談すると(※)、ベストな答えが出てきます。
プロンプト例
- シート「統合」に
- シート「データA」「データB」のA・B・C列のデータを統合したい。
- ただし、1行目には見出しがあるので、2行目から利用してほしい。
- シート「統合」にはあらかじめ見出しをいれることもできるけど、どうすればいい?(※)

この関数を作るのに、命令文(プロンプト)が1~2分、GPTの回答が数秒でした。
複数の条件を指定する(IF系関数・シート跨ぎ)
条件が多いほど、関数を作成するのが難しくなり、エラーが頻発し作成が困難になります。しかしGPT(AI)を利用すればほぼ実装が可能です。作成までの時間も圧倒的に早いです。
プロンプト例
- シート「サンプルデータ」 「サマリー」 があります。
- シート 「サマリー」 に任意のデータを入力すると
- シート「サンプルデータ」 対象のデータ行を自動的に抽出してくれるような関数がほしい。
- データは複数行ありますが、1つの関数で複数行を表示してくれると助かります。
- 任意の情報を入力する欄
- A2 日付
- B2 キャンペーン
- C2 グループ
- シート「サンプルデータ」
- 列B 日付
- 列C キャンペーン
- 列D グループ
- シート「サンプルデータ」 からとってきてほしい
- 対象のデータ列は、AからG列

この関数を作るのに、命令文(プロンプト)が3~4分、GPTの回答が10秒程度でした。
関数として実装できるのか? を相談する
Google Apps Script(GAS) や Google Sheets APIなどを使わずに「関数だけで処理したい」、またはGAS・APIなどを使わないといけないのか?という判断として相談も可能ですし、GASの実装に関してもある程度回答を得られます。
とにかく自分のアイデアをぶつけてみる(壁打ちする)ことがポイントです。本記事では関数についての内容ですのでGAS・APIについてはまたの機会で。
プロンプト例(アイデアベースの相談)
- Google Apps Script(GAS) や Google Sheets APIを使わずに、関数だけで処理できるか?という相談です。
- 3つのシート(店舗1、店舗2、店舗3)があります。
- シートの列は4つ(日付、予算、店舗、担当)あるのですが、列の並び順が不規則です。
- これらのデータを別のシートに、統合したいです。
- その際に、列4つ(日付、予算、店舗、担当)を同じデータとして整理することは可能ですか?

まとめ
複雑な関数になればなるほどGPT(AI)で効率的に実装することが可能になります。これまでは誰かが作ったエクセル関数のブログなどを参考にして何時間もかけていた作業がかかっても数分で終わる時代になりました。
そして、人にかかるストレスも大幅に解消されました。
専門知識を持った人間に対してレベルの低い質問をたくさん投げてしまうと、その人に対して多くのストレスや負担をかけてしまいます(迷惑をかけている自分もストレスと感じますよね)。時には怒らせてしまうこともあるはずです。GPT(AI)なら、何度修正をしてもらっても、迷惑をかけませんし、自分のストレスも大幅に解消されるはずです。
GLASSでは関数に限らず、AIによる作業効率化を積極的に取り入れております。またAI関連のサポート事業も今後展開する方針でもあります。何かお困りごとがあれば是非ご相談くださいませ。